毒林檎の受肉

探索者は何らかの理由で那由他地方御伽県宵ノ森市の北部にあるおとぎグランドホテルに一泊することになった。

探偵、ジャーナリスト、警察関係者、グランドホテル関係者、神蔵女学園関係者によって得られる情報やそのタイミングが変わるだろう。

かけてはいけないHO、重複してはいけないHOはない。各自好きな様に選んでプレイすることができる。

導入

探偵

白石雪子の母、春子から雪子の友人関係の調査を頼まれる。同窓会の日時を指定され。交通費と宿泊費が振り込まれる。

ジャーナリストや警察官の事情について知っている可能性がある。

ジャーナリスト/オカルト関係

おとぎグランドホテル、神蔵女学園を調べるため一泊することになる。

変死について多少なりとも知識があるだろう。警察の事情についても耳ざとくききつけているかもしれない。

警察関係者

ホテルには偶然訪れるか、変死を遂げた天川刹那の夫について調査に訪れた。白石が倒れたことで調査に乗り出すかもしれない。変死について警察は犯人の目星すらつけられていない。

事実についてどのように公表しているかはKPの判断で決定する。

神蔵女学園関係者

同窓会で訪れることになった。ある程度雪子と親しい間柄である/あった。

刹那の夫が死んだのは耳にしているが葬式には呼ばれていない。

ホテル関係者

おとぎホテルの関係者である。ホテルはこの上ない職場だ。あなたはこれを失いたくない。あなたは神蔵女学園同窓会のサーブをすることになった。

その他

KPもしくはPLの望む理由で。

 

各者についてこれに加え、KPは導入でふさわしいと考える情報を与える。

事件の概要

 白石雪子(28)と天川刹那(28)は高校時代はそれなりに仲の良い友人同士であった。白石雪子は高校(神蔵女学園)時代から可愛く賢い少女で、その後おとぎTV売れっ子アナウンサーとなり世間の脚光を浴びる。

 これに強く嫉妬した天川刹那は高校時代に彼女と付き合っていた森田玲也(28)を寝取り、やがて結婚した。彼女の母が「孤高少女同盟」に所属しており刹那もその忌まわしき性魔術を行ったのだ。

 さらに母の意に反してウトゥルス=フルエルフ(マレモンP144)を召喚するため、リンゴとウトゥルス=フルエルフの乳から儀式に使う自分にそっくりな人間もどき(朱里/忌まわしき娘)を作り出し、父・天川勇太のもとへ、儀式の準備をする自分の代わりに送り込んでいる。

 探索者たちはホテルへの送迎で天川勇太と出会い、ロビーの鏡と娘が無口になったことについて耳にするだろう。天川と白石は7回で本日行われる同窓会のためにここにとまっており、同級生も探索者も全員6階に宿泊している。

この後雪子が倒れ、雪子の部屋に誘われた探索者たちはウトゥルス=フルエルフを退散させようとするだろう。

 

探索の流れ

導入→天川雄介の車に乗る→ロビー・鏡→メモ→夕食→雪子倒れる→探索者を雪子の部屋に誘導、合流→8階テラスへ→ウトゥルス=フルエルフの退散→エピローグ


探索者による進行の違い

探偵/ジャーナリスト/その他

探偵は部雪子のメモA「毒林檎に気を付けてください、あなたの娘がおかしいことは気付いていらっしゃるはずです。狙われているのです。男たちを手当たり次第に…」 

を見つける。

もしくは男性探索者はメモB「おまえはおとこのいけにえ、よる、てらすにこい」に加え、レストラン伽羅の夕食券、ホテルのリーフレットを見つける。

夕食までの間、同級生たちは7階や6階を歩き回っているだろう。

夕食後は警察関係者がひと払いをするまで自由に探索できる。

以下の3つのうちどれかが起こる

・同級生が「雪子ちゃん部屋のことをすごくきにしてた。なにかあったのかしら」と言っているのを聞く。

・部屋に「全て部屋に用意しています610号室です。お願いします。SW」というメモをみつける。(雪子が刹那にあてたもの。投函する前に無くしてしまった)

・「610号室の例のものを持ってきてね 天川」というメモを見つける。

警察関係者

部屋に入ると、「ごめんなさい、私にはできません」という雪子のメモ、レストラン伽羅の夕食券、ホテルのリーフレットを見つける。

夕食後は倒れた雪子について調査すると思われる。その過程で「私の部屋に例のものを書き写して置いておきました。あの鏡もどこかへやってください。本当にできません。わたしにはできません」という同じ筆跡(雪子)のメモを見つける。

神蔵女学園関係者/ホテル関係者

 雪子の体調が昨日あたりからすぐれない。夕食は7階同窓会会場でとることになる。

 雪子の様子がおかしいことに気付く。とても体調が悪そうだ。話すと「部屋が気になって…」「いえ、特に理由はないんですけど…」「やっぱり部屋が…」といったことを言う。

 この後雪乃はトイレに行き、帰りに魂の束縛を使われて倒れる



施設、組織他


神蔵女学園

宵ノ森市の北、神蔵市に位置する女子高である。偏差値が高く御伽県では有名だが、地方の進学校なので関東地方では名は通ってない。

白石雪子と天川刹那の出身校で、雪子の母春子もこのがっこうの出身者である。由緒正しいがくえんであるが、一部の女生徒は「孤高少女同盟」に入会している。

おとぎグランドホテル

明治時代に建立され、地震や火事の度に建て替えられてきた由緒あるホテル。占領期は米軍に接収されていた。

現在はお手頃とはいいがたい値段であるもののそのサービスでリピーターを確保している。

神蔵女学園の同窓会は多くの場合このおとぎグランドホテルで行われる。

レストラン伽羅の夕食の時間は8-10時、8Fテラスは今日は休業である。

1F ロビー・鏡(後述)

2F レストラン伽羅

3-6F 客室

7F 広間

8F 鉄板焼きのテラス

おとぎTV

ローカルのTV局である。白石雪子は売れっ子のアナウンサーである。本日は同窓会のため、急きょ天気予報の撮影に彼女をつかい、通常のニュースは代役を立てた。

神蔵女学園はこの局のスポンサーのひとつである。

宵ノ森市

宵ノ森市は御伽県の県庁所在地である。北には森が広がっていて、その向こう側に神蔵女学園がある。

森のすぐ南には伝統あるおとぎグランドホテルがあり、一部の町並みは国の重要文化財に指定されており、観光地として発展している。

人口は30万人程度である。

ホテルの鏡

ロビーの鏡には以下の内容の記されたプレートが下がってる。

「たましいのありか

この地域では古来より物に人の魂がうつるといわれています。

特に鏡は人の心を映す神聖なものです。

この鏡に蝶番と蓋があるのは魂の入れ物であるという証拠なのです」

この鏡は刹那によって入れ替えられており

目星→蓋と蝶番がないことに気付く

アイデアか指摘されると→「頭の前後に角の付いた奇妙な人知を超えた怪物」のレリーフに気付く SANC 0/1d2

孤高少女同盟

「孤立した少女たち」に類似したウトゥルス=フルエルフを崇拝する女たちの教団である。ウトゥルス=フルエルフを「大いなる母」と呼びみだりに召喚することを禁じている。

男を生贄とし性魔術や拷問を楽しむ。時折二度と還らぬ男もいる。

天川刹那とその母が入会している。



物語の流れ、イベント

ホテルからの迎え

ホテルは宵ノ森駅から車で20分程度であり、探索者のことはドライバーの天川勇太(刹那の父)が迎えに来てくれる。彼は探索者に道すがら、

「娘は物凄いじゃじゃ馬なんですがね、最近めっきりしゃべらなくなって…。まあ反抗されるのもかなしいですが、全く話してくれないのもねえ…仕方ないんでしょうが。今日は同窓会でうちのホテルに来てるんですがね…話してくれるかどうか」

「この辺りは初めてでいらっしゃいますか? うちのホテルはなかなか有名で、おとぎTVの天気予報は毎日うちの前で撮影してるんですよ。あ、初めてなら伝承とかもあまりご存じないですよね。ロビーに大きな鏡があるんですよ。ぜひご覧になってください。なんでも旧約聖書のシーンをね、モチーフにしていて、確か林檎と蛇だったかな、そんなモチーフが鏡の縁に彫られてるんですよ」

と言う。彼は夕食の時間帯になるとホテルでは見つけられなくなるが、それまでは会話や送迎に快く応じてくれる。

探索

ホテルからの迎え、ロビーの女を終えると、夕食まで探索者たちは自由に行動することができる。この時点で時刻を16~17時くらいに設定するのがいいだろう。

主にホテル内の「ロビー(鏡・天川)」「客室(喧嘩・同窓会出席者や雪子、刹那への聞き込み)」「階段など(奇妙な出会い)」「レストラン伽羅(ホテル関係者や同窓生)」で情報が拾え、イベントが発生する。

夕食、同窓会、生徒たち

生徒たちに聞き込みをすると以下のことがわかる

・天川刹那は一人っ子である。彼女は非常に勝ち気である

・噂好きの生徒は天川刹那をビッチ、白石雪子を清楚と称するかもしれない

・白石はむかしからマドンナのような存在で他校の男子のあこがれだった。女生徒にも人気があった。

・白石はここさいきん体調がよくないらしい。

・天川刹那は白石と付き合っていた森田玲也を寝取ってその後結婚した。

・森田はつい先日なくなったばかりであるが誰も葬式にはよばれていない。

・刹那もかわいいとは言われるが、皆「性格がねえ」と言う。「雪子が唯一の友達なんじゃない?」とも「白雪ちゃんよくあんなのと付き合えるよね、ほんと優し過ぎ

生徒たちには刹那と朱里は似ているが違う顔に見えている。なお同窓生は全員28歳である。

奇妙な出会い

ホテル内で一人行動した男性探索者はもしかしたら天川刹那の妹、「忌まわしき娘」と出会うかもしれない。それは階段やトイレ、レストランの奥、ロビーの一角など人気のない場所でなければならない。

生まれてから徐々に知性を得始めた「忌まわしき娘」は自ら大いなる母のために男の生贄を探している。娘は

「おまえ、は、いけにえ。よる、ひとがいなくなる、はちかいにははをよぶ。おまえはいけにえになる。にげられない」

と言って走り去る。

探索者に男性がいない場合はこの対象は天川勇太となる。天川勇太と話をしたり、警告した女性探索者に「忌まわしき娘」は「あれはわたしのいけにえ、じゃまするな」と言って走り去る。

SANC0/1

ロビーの女

ロビーには赤い長髪の双子の姉妹がいる。まったく同じ服そうで見分けがつかないが、片方は全くしゃべらず黙りこくっていてもう一人に付き従うだけであり、もう一人はきゃいきゃいとロビーのホテルマンに文句をつけている。

刹那と忌まわしき妹、朱里である。

目星で彼女の持っているキーが306号室のものと分かる。

 

この後探索者が一度部屋に入って出た場合もしくは客室のある6階に向かった場合、適切なタイミングで刹那は一人雪子へ儀式への協力を要請しに行き、部屋で断る雪子と口論するのが分かるだろう。雪子は

「無理です、私にはできません、そんなひどい事。おねがい、これ以上何が欲しいのですか」と言っている

基本的に刹那の部屋の朱里は黙って座っており何も話さない。また、応答したり鍵を開けたりもしない。男性探索者が一人になると生贄を探して彷徨う。また夕食時には儀式の準備のために8Fへ向かう。

天川勇太(63)

彼は探索者たちをホテルに連れていくドライバーで、夕食前まではホテルのロビーの奥まった場所で待機している。

天川に聞くと以下のことを教えてくれる。

・娘は刹那一人である。

・髪の色は母親譲り。母親とは長い間別居している。(男を連れ込むためだが、彼はこれを言いたがらない)

・娘は勝ち気だが男癖が悪い、どうにか雪子さんのようになってくれないものか

信用/説得で以下の内容を聞き出せる。

・娘の夫はいい人だったが、娘は彼を見下していた。彼が離れようとするたび、ある日を境に瞳がうつろになり彼女の言うことにやけに素直になる。暴力ではないだろうと思うのだが……。

・妻と離れるとなぜ彼女と結婚したのか不思議なくらいだ。会うとかならずそのあとは記憶が混濁して正しい判断を下せなくなってしまうので近付かないようにしている。籍を外さないのは娘を思ってのことだ。

雪子、昏倒

夕食時、雪子がけたたましい悲鳴を上げて階段で昏倒する。ホテルは7階まで吹き抜けになっており、その声は3Fで食事をする探索者のもとにも届く。

野次馬は早めに食事をおわらせそそくさとそれを見に行くかもしれない。逆に6Fにいた同窓生たちはみな7Fに暫くいるため、ほぼ無人になるだろう。

目星→「孤高少女同盟」のバッジを見つける。

探索者たちはそれぞれの理由で610号室に誘導されることとなる。



610

手前には大きな机と開かれたノートがあるのが一番最初にわかる。さらにその奥にはロビーのものとそっくりな大きな鏡がある。

ノート

「孤高少女同盟

わたしたち孤高少女同盟は神聖なる同盟である。大いなる母のため日々奉仕するためにある。

大いなる母をみだりに呼び出してはならない。大いなる母は人知を超えた存在であり、矮小なるわれらのことで一々その手を煩わせるべきではない。

もしどうしても大いなる母を呼び出さなければならないとき、かならず二人で聖なる儀式を行わなければならない。

まず、リンゴと大いなる母の乳で、神聖なる巫女を作り出す。彼女に魔力を与え、親族の男と交わらせ、その生気を彼女に与える。

それから三日以内の晴れた夜に奏楽の開けた場所で一人の女の生贄を用意する。あとは神聖なる巫女が大いなる母を呼び出す。したがって儀式は必ず二人で行う事」

ノートからは以下のメモが滑り落ちる

「私に協力しないなら鏡に閉じ込めてやるから観念しておとなしく手伝いなさい せつな」

鏡に聞き耳で「助けて…」と言う声を聴く。これを聞いたものと、その事実を伝えられたものは、以下の雪子の訴えを聞くことが出来る。

「刹那に閉じ込められました。どうかわたしをここから出してください。出して下さったら微力ながら力をお貸しします、お願いいたしますこの鏡の蓋を開けてください」

蓋を開けると

「ありがとうございます。刹那は8Fテラスで大いなる母をよんでいます。このままでは完全に召喚されてしまう。私はしばらく動けませんが彼女を追い払うため力をお貸しします。どうかどうか、かの忌まわしき母を追い払ってください。

もう彼女が儀式を始めてしまっているんです。私の体はしばらく動けない、直ぐにいかないと手遅れになって、召喚された母が手当たり次第に生贄を探し求めます」

彼女によって退散の呪文に15-探索者の数*2が与えられる。

また、召喚が完了するまでに唱える退散の呪文は2R後に完成する。

ノートにはウトゥルス=フルエフルの招来/退散の呪文が記されている。

招来

いあ いあ うとぅるす ふるえるふ

深淵より立ち上がり 大いなる角より現れる 我らが母よ

白きかわのもとへくだりたまえ

我らの祈りに応えたまえ

退散

大いなる うとぅるす ふるえるふ よ

星は散り天つ川は雲に閉ざされたり

この地は既に乳の流れを閉ざしたのだ

還りたまえ 乳白の出でたる場所へ

 

退散の呪文に参加する者は魔力を出し合うことが出来る。5MPで5%の成功率があり、これ以降1MPごとに5%ずつ上昇する。呪文の使用者(1名)は1d10の正気度を喪失する(呪文終了後)

使用したMPは00ファンしない限り無効にはならない。ラウンドの度に再挑戦できる。

ウトゥルス=フルエフルの召喚が始まって間もなく、不完全な召喚であることもあり呪文詠唱時間は2Rに短縮される。

 

この呪文を覚えた探索者は1d3正気度を失い、同数のクトゥルフ神話技能を手に入れる。呪文を成功させると合計で5になるように神話技能を手に入れる。

!呪文の文句などは作者が考えた非公式のものですよ!



8Fテラス

8Fテラスでは倒れ伏す刹那とそれを足蹴にしながら召喚の呪文を唱える朱里、そして召喚されその体を現世にさらしたウトゥルス=フルエルフがいる。

聞き耳をすると刹那が「朱里…なんで、うらぎりもの…くちもきけないくせに…」と言うのが分かる。その後彼女は気絶する。

丸い胴体の上に載った頭のような場所からは前後に角が突き出ている。その角からは悪臭でも漂わんとする奇妙な粘着質の物体が付着しているのが分かった。目も鼻も口も到底あるようには思えない。ただ、乳白色の液体を垂れ流す赤い大量の乳首のようなものが下についているのが分かる

全体ではないので軽減して1d4/1d15のSANC

この時点で朱里の残り詠唱時間は3-5R程度である。

退散の呪文に成功すると即座にウトゥルス=フルエフルはこの場を去り、朱里は「どうして、お母様…」といいながら崩れ折れる。

さらに儀式に失敗した彼女の体はどろどろと白色に溶けはじめ、しゅううという音を立てて蒸発して消えていく。後には林檎が一つ残されている。

この林檎はPOT2d10程度のウトゥルス=フルエフルの毒を含んでおり、触る程度なら問題ないが、咀嚼し消化が始まると(CON対抗で勝つと)たちまちそのものは内側から肉が腐って侵食し垂れ下がって苦しみながら死亡するか、(失敗で)即座にこと切れる。

身体の腐り落ちる様子、または忌まわしき娘の溶け行くさまを目撃した探索者は1/1d8のSANC

召喚が完成した場合、生贄である刹那は即座に息を引き取る



人物/怪物

白石雪子

APP16 POW14 28歳

人気アナウンサーであり、刹那の古い友人。彼女の嫉妬に気付いてはいたが手をこまねいているうちに彼女は邪悪な魔術に手を染めてしまい、その後疎遠になった。

同窓会でホテルにおとずれ、刹那に「大いなる母」のすばらしさ、その償還に協力することを求められるが、拒否して言い争いになり、「魂の束縛」で鏡に閉じ込められる。

天川勇太

APP10 SIZ12 65歳

ホテルで運転手の仕事をしている。娘のことを気に掛けるがあまり実っていない。孤独にさいなまれているため、よく観光客に話しかける。

雪子のあてが外れた場合刹那は彼を生贄にしようとしていた。

天川朱里/忌まわしき娘(妹)

APP12 POW10 SIZ11 INT2 EDU0

CON?? DEX10 STR17 MP10

耐久は10、装甲はなし。耐久が0になると白い液体のように崩れるが、儀式が中断されない限りウトゥルス=フルエルフの乳の力によって1R後に再生する。

儀式が中断され失敗に終わると即座に崩れ、「毒林檎」を残して消滅する。

彼女は刹那が林檎をウトゥルス=フルエフルの乳で煮詰めて作った怪物である。この製法については代々「孤高少女同盟」で受け継がれており、刹那は自分の儀式を手伝わせるために彼女を作り出した。

彼女の話す言葉は拙く、鋭い探索者は彼女の肌が異様に白く輝いていることに気付くだろう。生贄を求めるとき以外は彼女は殆ど言葉を口にしない。探索者たちが何を言っているのか、ほとんど理解できないからである。

白石春子

APP16

雪子の母で比較的前時代的なモラルを持っている。

数日前から刹那が雪子にちょっかいを出しているのを見かけ、友人関係に不安を持って探偵に調査を依頼する。

裕福である。娘のためなら大金もポンと出す。

天川刹那

APP12 POW10 SIZ11 INT12 EDU16

CON10 DEX10 STR11 SAN35

嫉妬深い性格。「孤高少女同盟」に入会していた。やがて人知を超える力を持つ「大いなる母」に傾倒し、彼女を呼び出そうと画策する。実の母も「孤高少女同盟」だが彼女は「大いなる母」召喚には否定的である。

雪子に儀式に協力させ、生贄にしようとしたが当てが外れた。

ウトゥルス=フルエフル(ウーツル=ヘーア)

STR52 CON67 SIZ73 INT18 POW21

DEX11 耐久70 DB+7d6

角でかきむしる 90% 3d6+感染(Pot5d10効果は毒林檎とおなじ)

頭の角 75% 7d6

装甲 下腹:なし 顔面・背中・丸まった時:50

正気度喪失 1d6/1d20(今回は全体でないので1d4/1d15)

詳細はマレウス・モンストロルムP144


GOOD END

ウトゥルス=フルエフルは大きくその体を震わせるとメリメリという奇妙な音を立てて空間の裂けめの中に消えていった。灰色がかった空が晴れ、美しい藍色の夜空が現れる。探索者が呆然と立ち尽くす目の前で、気を失った刹那の胸が穏やかに上下しているのが見える。危機は去ったのだ。そう貴方たちは確信するだろう。

クリア報酬

生還 1d10

刹那の生存1d6

 

召喚ENDA

退散の呪文が5回以上失敗すると、必ず彼女はそのすべての体をこの世にさらけ出し、探索者に攻撃してくる。この時点で完全なるウトゥルス=フルエフルを目撃した探索者は1d6/1d20のSANC。こうなると生き残る望みは薄い。

ウトゥルス=フルエフルとの戦闘に入る。KPが望むなら圧倒的な力によって探索者を蹂躙してもいい。

母の召喚に成功した忌まわしき娘は、母に取り込まれるか生贄を差し出すべく探索者に襲い掛かるだろう。

一通りあたりを蹂躙して満足すると彼女は住処は帰っていく。この召喚は彼女を一時的にここに留めるに過ぎないものだからだ。

召喚ENDB

退散の呪文の失敗は5回未満だが、忌まわしき娘が召喚に成功した場合、探索者は1d6/1d20のSANCを行い、再び退散の呪文に挑戦することができる。召喚完成前の努力からか、呪文は2Rで発動するが、これに失敗するとENDAと同じ結果になる